top of page
  • 執筆者の写真しずか 平岡

視察報告⑫地域交通対策調査特別委員会(県外調査)

7月23日(火)から25日(木)にかけて実施した、県外調査についてご報告します。


1.自動運転実証実験の実施状況について

視察先:

桑名市MaaS推進室(令和2年度より政策創造課内)



●桑名市

人口:135,563人(2024年7月)

面積:136.65km2


●少子・高齢化に伴う運転手不足への対応、慢性的な交通住宅の緩和、交通に起因する環境負荷の低減といった地域交通を取り巻く課題を抱えており、市内の交通空白地を解消しつつ、安全かつ円滑で持続可能な地域公共交通手段を確保していく


●AI活用型オンデマンドバス実証実験「のるーと桑名」

・期間 

令和6年1月15日(月)~令和6年3月23日(土)

平日9:00~18:30 土・祝日9:00~18:00

・交通空白地において、主に未成年や高齢者を始めとする自家用乗用車を持たない人々をターゲットとした、買い物や通院等の交通手段の提供

・アプリ・電話による予約に応じ、AIによる配車やルート検索等の機能を備えたシステムによるオンデマンド運行

・大人300円、小学生, 障がい者100円、幼児無料

・乗降拠点数73カ所


●補助金

三重県「高齢者等の移動手段の確保に向けた地域モデル事業費補助金」活用

国土交通省「地域公共交通保持改善事業費補助金」

2023年度

自動運転実証実験 補助額8000万円

2024年度

自動運転実証実験 補助額5000万円

→持続可能な移動手段として実装されるためには運賃収入のみならず、自動運転ならではのメリットを出せるような事業計画が必要。移動手段以外の付加価値について検討。

2025年度

自動運転車両を購入

レベル4自動運転の認可取得目標

2025年度までに50カ所以上、2027年度までに100カ所以上の実現を目指す


●コミュニティバス「Kバス」




2.日本版ライドシェアの実施状況について

視察先:愛知県タクシー協議会

(名古屋タクシー協会、愛知県タクシー協会、愛知県タクシー協議会)



・小泉首相による規制緩和 

→ 仙台の交通量増・寡頭 → ドライバ―が増える → 給与安くなる

・都市部と地域を分けて考える(名古屋市+13の市町村以外)

・日本型ライドシェアは自家用自動車有償運送(道路運送法第78条第3号)に基づく

制約が多いと供給を生むこと困難

・タクシー事業者が運行管理を担う


●新城市地域デマンド交通のしくみ(愛知県内唯一の消滅可能都市)

・住民が「山吉田ふれあい交通運営協議会」を組織

(地域・事業者・行政の信頼関係により成り立つ )

・交通空白地帯 中心部から30分

・平日 午前7時~午後6時、土休日 午前8時~午後5時

・地区内 300円、地区外 600~1200円


●愛知県犬山市「自治体ライドシェア」(2024年12月頃~)

・入札で交通事業者を決める

・2026年3月までの平日午前6時から7時半と午後6時から7時半

・長者町団地―犬山駅間(約6キロ)のバス停10カ所を1.5往復

・キャッシュレス決済 1乗車300円予定



3.地域公共交通会議での取り組み 及び 高齢者等移動支援事業について

視察先:

各務原市産業活力部

産業活力部商工振興課公共交通政策係

健康福祉部高齢福祉課地域包括ケア推進室地域包括ケア推進係

議会事務局



●各務原市

人口:144,769人(2024年3月1日時点)

面積:87.81㎢

位置:岐阜県南部の愛知県との県境に位置

交通:

市内を東西に鉄道(JR・名鉄)が走り16の鉄道駅を軸に公共交通網を形成

他に、民間バス路線8路線(岐阜バス・名鉄バス)、乗用タクシー(事業所5社)、コミュニティバス等


●ふれあいバス7路線(2020年10月~)


●チョイソコかがみはら3エリア

・1乗車400円または600円(小学生・高齢者等は半額)未就学児無料

・電話またはウェブで発車20分前までに乗車の申し込み

・事前会員登録制(市民以外も可)

・複数事業者による輪番運行 既存タクシー車両を活用

・専用車両購入の初期費用を削減

・運行事業者にとっては自社PRのチャンス

・メリット:

タクシー業界と連携 1社だけの1人勝ちではない

新たな事業者との関係構築

・デメリット:

調整の負担が大きい 

サービス水準の統一が困難 

貸与する備品等が多く必要(コストがかかる)


●住民との対話(利用者の声を聞く)

・「ふれあいバス等懇談会」(地元住民との意見交換会)の実施 

・毎年11会場で12回開催 

・各地区で市内公共交通に対する意見や要望を聴く 

・次の改正に反映、議会報告 →常に進化させていく


●利用促進の取組み

・運転免許証自主返納支援事業

・名古屋鉄道株式会社のCentX(エリア版MaaSアプリ)を活用したお出かけきっぷ

・チョイソコかがみはらのスポンサーと連携したお出かけイベント

・周知活動(チョイソコ通信の発行、ふれあいバスの展示)

・市内高校合格発表会に合わせたバス通学利用の啓発

・フレイル予防や公共交通についてのバス車内ポスター掲示


●高齢者等移動支援事業(高齢福祉課)

自治会

①地域の移動ニーズを集約

②集約したニーズを基にタクシー会社と契約

③契約に基づき、利用者負担を差し引いたメーター料金(貸し料金)の残額を支払う

タクシー事業者と自治会が契約 利用者がタクシー事業者に予約

行政は補助 日常生活支援に資するもの介護予防事業へも繋ぐもの

補助率2/3 補助上限30万円



4. 地域公共交通に係る支援制度について

視察先:岐阜県都市公園・交通局 公共交通課



●「岐阜県地域公共交通計画」(令和4年7月策定) 

計画期間:

令和2022~2027年度

現状・課題:

少子高齢化の進行、自動車依存度の高さからの脱却、高齢者の免許返納の増加

基本方針:

地域公共交通の維持・活性化による「誰もが暮らしやすい地域」の実現

施策:

地域をつなぐ「広域交通」の維持・確保

暮らしを支える「地域内交通」の維持・確保

地域公共交通の「活性化」(効率化、利便性向上、利用促進等)


●人口1万人以下9市町村に対して補助支援




5. 滋賀県湖東圏域における公共交通活性化の取組について

視察先:彦根市議会




●湖東圏域(彦根市、愛荘町、豊郷町、甲良町、多賀町)における公共交通の現状

・1市4町で構成する「湖東圏域公共交通活性化協議会」の取組

・2008年頃、バス利用者減少、各市町の路線の見直し、利便性低下、さらに利用者減

→公共交通空白地域の拡大 → 各市町村が取組では限界

・バス路線および予約型乗合タクシー路線は市町をまたいで運行


●「愛のりタクシー」

・メーター運賃を基本に利用者負担分を引いた残りを行政が負担する運行経費

・利用者負担分800円 運行経費(行政負担分)2200円 

・活性化協議会より差額をタクシー業者へ支払う(メーター運賃3000円)


●利用者の意見

「停留場まで行くことが難しい」という声に対して公共交通担当以外の分野との連携をいかに図って解決策を検討中



閲覧数:13回

コメント


コメント機能がオフになっています。
bottom of page