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  • 執筆者の写真しずか 平岡

【共有】宮城県立精神医療センターについて

2月15日に「第9回目精神保健福祉審議会」が開かれました。病院再編構想に対する採決では、10名が反対、3名が保留を表明しました。県は、昨年度のうちに基本合意を目指していましたが、東北労災病院と宮城県立精神医療センターの移転については、議論が進んでいないことを理由に、今年度も継続して協議が進められることになりました。


6月14日の仙台市議会(6月定例会代表質疑)において、郡和子市長が県立精神医療センターの移転について「さまざまな懸念、疑問が払拭されないまま県が進めるのであれば、反対と言わざるを得ない。強く再考を求める。」と初めて明言しました。精神科は「地域医療構想」の枠外であり、もともと再編の対象ではありません。


こころの病気(精神疾患)は、5大疾患のひとつであり、5人に1人がかかると言われています。県全域にわたる精神医療体制の充実は必要不可欠であることには違いありません。一方で、精神保健福祉審議会の先生方の多くが構想に反対されている理由について、移転候補地の住民からも質問が寄せられています。今回は、現在議論されていることについて、半年かけて調査したことをご報告します。



宮城県立精神医療センターについて

・病床数 258床(在院患者の8割が統合失調症)

・通院されている約3000名のうち2000名程が太白区以南からの患者

・児童・思春期の患者約240名が通院(約7割が太白区以南)。病状が改善してきた入院患者の方は病棟から通学。

・職員の72%が太白区以南に居住。看護師は3交替。震災時等の非常時には出勤。

・県北にはアクティビティの高い病院が多い

(県北2100床、県南1350床)←富谷移転により258床が県南より抜ける



株式会社日本経営「東北労災病院と県立精神医療センターの合築による新病院の具体的な方向性」(2023年3月)

1.精神医療センターの再編における基本方針

▶新精神医療センターは富谷市へ移転し、合築・併設し一般診療科と精神科の連携を強化する。

※県は、合築の利点を「身体合併症」患者の診療が円滑になると説明している。東北労災病院が積極的に引き受ける計画であるかが問われている。

▶名取市以南の外来患者については、連携を検討する南の新病院の外来機能で担うことを想定。

▶新精神医療センターは宮城県の中心部に位置することになり、全県の措置入院、夜間救急を中心に救急機能を着実に担う病院とする。


2.移転元地への主要な影響

▶精神医療センターを利用する患者住所地は、富谷市以南の患者が多いことを踏まえて現に精神医療センターを利用している外来患者等に対する 配慮が必要なものである。

▶青葉区以北には急性期を担う民間医療機関があることを踏まえて、精神医療センターが移転することによる機能重複を回避する対策を検討する必要がある。


・一般外来  121.3人/1日(令和3年度)

→名取市以南57.6%、仙台市太白区27.0%


・入院形態

措置入院:11名/1日(令和3年度)

2名以上の精神保健指定医の診察により、精神障害のため自分を傷つけたり他人に危害を加えようとするおそれがあると判断された場合、都道府県知事の権限により入院。


医療保護入院:135人/1日(令和3年度)

精神障害であり、医療と保護のために入院の必要があると判断され、患者本人の代わりに家族等が患者本人の入院に同意する場合、精神保健指定医の診察により入院。連絡のとれる家族等がいない場合、代わりに市町村長の同意が必要。


任意入院:32人/1日

患者本人に入院する意思がある場合の入院



調査報告「みやぎ県民の声」

令和5年11月補正予算案の概要(11月21日)

宮城県立精神医療センターの修繕費として2億1300万円を盛り込んだ補正予算案を11月定例会に提出するとの説明を受けた。


全日本自治団体労働組合(11月24日) 

・自治労(全日本自治団体労働組合)は、県立病院で働く職員の声をまとめている。アンケートを実施したところ9割が移転に反対(219人対象に実施し87%にあたる191人が回答)。7割は離職を考えている。

・建物の老朽化に伴い建て替えは必要であるが患者を置き去りにされている。精神疾患を有する患者は社会的フォローが必要である。現在の利用者は、外来30名、入院153名。遠方の富谷へ移転すると通院を断念する患者が出る可能性も。

 


富谷市議会定例会(11月30日)


・病院誘致は市民の生命と健康を守るため。

・基本合意まで時間がかかり組合や地権者に経済不利益を被るため、1月に契約をする必要性。取得価格は1,4000,494,028円。

・市議からの質問

土地の妥当性、市民への情報発信、取得価格の妥当性、病院移転による地域の変化、住民説明会の実施等について



メディカル・プリンシプル社(民間医局)「医師の働き方」について(11月30日)



 一般社団法人宮城県精神科病院協会 「精神科病院の最適配置について」(11月30日)

・精神科医療は、「長期収容型の入院治療」から「地域ケアを基盤にして急性期のみ短期間入院する治療」に変化。「精神科救急体制」(休日・夜間等において、精神疾患の治療が必要になった時に当番病院が対応する制度)もその流れのひとつ。

・県立精神医療センターでは、夜間救急入院を除いて年間400人程度の入退院の実績がある。名取市に最大120床以下の病院では年間400人を引き継ぐことは困難。

・県立精神医療センターの移転に伴い、県南では基幹的医療機関が存在しなくなる。県北では、急性期治療(病気になり始めた頃)の競合が生じる。

・医療政策はエビデンスに基づく政策立案(Evidence-Based Policy Making)が求められるが、富谷市移転はEBPMに反する。

・精神科はソフト面が重要であり、社会復帰ができるように環境を整える必要がある。例えば、必要な支援を受けながら共同生活を行うグループホームや就労支援施設の設置が求められる。生活保護の一部は地方自治体が負担。富谷市の財源は十分であるのか。

・全国的に発達障がいの子どもが増加している。精神医療センターから3.9kmの距離には、子ども総合センター(名取市美田園)があり連携を図ってきた。

・「地域包括ケア」は、具合が悪くなるのを未然に防ぐための支援体制。富谷市では誰が責任をもつことになるのか。




会派「みやぎ県民の声」富谷市調査・富谷市役所訪問(12月1日)


県立精神医療センター視察と意見交換(12月4日)

・新病院が建設されるという理由から、10~15年間改修を続けてきた

・精神病院建築基準の改正により、精神症状の別により個室を多く設けることや廊下幅棟が定められているが基準を満たしていない

・児童思春期精神科入院ユニットは男女が同フロアである

・病院の信頼、信用のために、早期に新病院の建設を望む


築40年を超えた県立精神医療センター


💻 「サテライト構想対する質問」(一般社団法人 宮城県精神科病院協会 会長 岩舘 敏晴氏)

(12月6日、名取市に新たな民間の精神科病院を公募する案を撤回し、サテライト案を表明)


伊藤哲也副知事(前保健福祉部長)との意見交換(12月13日)


「仙台赤十字病院と宮城県立がんセンターの統合に向けた基本合意書」(12月22日)



「仙台医療圏の病院再編による医療提供体制の充実」(12月23日)


≪質疑応答より≫

・声を聞こうとする姿勢を全く感じられない

・地域説明会へ仙台市担当者をなぜ呼ばれないのか 

・住民自治、地方自治のあり方、議会軽視

・主治医や担当の支援者が変わる(職員と患者のニーズに合致せず)

・夜勤の通勤心配


「4病院再編構想に係る緊急要請書」(12月27日)

・基本合意締結について、あまりにも拙速であり、一時保留すること

・基本合意に関する検討及び関係資料について公開すること

・早急に県議会に対して、この間の経過と基本合意について丁寧な説明を行うこと

・仙台市長に対し、経緯の説明を丁寧に行い、課題解決に努めること



「許せますか?村井知事の暴走  STOP! 4病院再編・移転 県民大集会(2月4日)

≪主な発表者≫

新里宏二弁護士、八木山連合町内会会長、岩倉政城医師、宮城県社会保障推進協議会会長、小泉潤医師、精神障害者のくらしと医療を考える仙南ネットワーク代表、精神医療センター思春期外来患者家族、八木山を元気にする会代表、東北労災病院職員(理学療法士)、自治労宮城県本部委員長


「精神障害者のくらしと医療を考える仙南ネットワーク2.23みやぎユーザーズアクション実行委員会」 (2月21日)

・精神衛生法成立(昭和25年) 

→私宅監置廃止へ(法成立前、精神障害者は馬小屋や牛小屋に監置されていた)

・県立名取病院設立、精神科・神経科140床(昭和32年) 

→県南各市町に指導医を派遣。訪問活動、相談事業、保健師へ精神科患者への接し方の指導を行った結果、患者会、家族会、作業所ができた

精神科患者への保健師の訪問活動が日本一に(宮城方式)

・精神障害者は、商店街のおじさんや普通のまちの人達の存在の中で生きている。病院移転は地域から切り離されることになる。当事者は変化が苦手である。


WHO精神保健福祉法制度・政策ユニットの責任者ミシェル・ファンク博士(令和5年10月来日)

▶当事者の経験に基づかない計画

▶当事者の主体性と自律性を尊重しない計画

▶当事者が望む暮らしを奪う計画


・県北部には、県立精神医療センターに匹敵する病院がある。


・名取市内(精神障害にも対応した地域包括ケアシステム)

グループホーム12、短期入所5、居宅介護14、生活介護や就労支援などの日中活動系(就労継続支援や生活介護など)22、相談支援7、児童通所系16が集積 


◎地域で生活をしていけない。移転したら通院できない。

居住・移転の自由(憲法22条1項、障害者権利条約18・19条)

保健サービスを地域で受ける権利(憲法25条、障害者権利条約25条)


◎当事者の声を踏まえて決めていない。自分たちのことは自分たちで決められない状況。必要な情報を提供していない。

意思決定過程参画する権利(憲法1条、21条、障害者権利条約4条3項)、自己決定権(憲法13条、障害者権利条約3条)、知る権利(憲法21条、障害者権利条約21条)


◎心の平穏を保てない 平穏生活権(憲法13条、25条、障害者権利条約17条)


「4病院問題意見交換」(3月13日)

・仙台赤十字病院は、まちづくり・防災の役割を担っている(八木山連合町内会会長)

・高齢のためタクシーを利用してお見舞いに行くと片道8000円がかかる(当事者家族)

・富谷市の誘致先周辺は一車線で、救急車が通るには道幅も狭い。まちづくりと一体で考える必要があるのではないか。

・宮城県精神保健福祉審議会には、当事者の声を聞くために招かれている。しかし、会議が22時まで続くため、公共交通機関の終電時刻の都合で途中退室することになる。当事者の声を十分に聞いているとは言えない環境下での話し合いではないか。


・厚労省が出した再編統合リストには、精神医療は含まれていない。

・名取市において60年以上かけて築き上げた地域の包括ケアを壊してまで移転するのか

・東北労災病院は身体合併症への対応を行うのか

・宮城県立がんセンターの西側(6.2ha)の土地取得を地権者が同意している。建て替え先とすることで、名取市での存続ができるのではないか



「第4回地域説明会」(3月23日)




自治労(書記長、県立精神医療センター 県立がんセンター職員)との意見交換(6月13日)

・サテライト案(名取の分院30床)では、仙南の体制が劣る

・当事者へのヒアリングを行う際の環境が十分とはいえなかった

・今後、県立精神医療センターの児童精神科を富谷市へ移転することで、県南の体制が弱くなる。児童精神科は、東北福祉大学せんだんホスピタル(仙台市青葉区国見ケ丘)や緑が丘病院(塩釜市)で対応可。

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