私が所属する会派「みやぎ県民の声」のメンバーで熊本を訪れました。今回は、2日目に訪問した「慈恵病院」(熊本市西区)の取組についてご紹介します。
慈恵病院は、熊本駅より約3.5kmに位置します。「こうのとりゆりかご」(赤ちゃんポスト)を開設してから今年で17年になります。2007年の開設以降、179名のいのちをお預かりしています。また、2年前から、母親が匿名のままで出産する「内密出産」を受け入れています。
世界には大切ないのちを守るために、数多くの赤ちゃんポストがあります。例えば、2018年時点の資料によると、中国には18ヶ所で1400名(赤ちゃん安全島)、韓国は2ヶ所で1405名(ベビーボックス)のいのちが救われました。韓国では、高校生が妊娠した際にも、休学をして出産することが認められているといいます。アメリカ全土には、消防署148ヶ所にSafe Haven Baby Boxが設けられています。しかし、日本には、依然として慈恵病院1ケ所のみなのです。
(今年度、東京都墨田区の社会法人「賛育会」が設置予定)
日本では、生まれた赤ちゃんを遺棄したり、幼い子どもを虐待したりする事件が後を絶ちません。理想とする家族のあり方を掲げる政治家にとっては、赤ちゃんポストの存在は、理解しがたい面があるといいます。しかし、いのちの尊さは、国家を越えて、普遍的価値があります。全国から熊本へたどり着いたお母さんたち。身重の体でありながら、「いま」子どもにできる最大限のことをしておられるのです。いのちを守り、生をつなごうとするお母さんたちが孤立することのないように、社会全体で支える社会の仕組みを整えたいです。
いのちは無条件に尊いのです。