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執筆者の写真しずか 平岡

生きものとしての人間

先日、せんだい環境学習館 たまきさんサロン(東北大学青葉山キャンパス)で行われたニッチなおしゃべり会「牛と馬と豚とペットと人」に参加しました。家畜の習性や行動について牧場に勤務されている方や獣医師さんにお話を伺いました。


参加者から出された様々なご意見を伺いながら思い出したことがあります。松下政経塾在塾中、私は「いのち」について探究していました。年に数回、政治家や研究者、経営者の方々をお招きして、プレゼンテーションに対するご講評をいただく機会がありました。9月の発表会の折に、中村桂子先生(JT生命誌研究館名誉館長)から「いのち」とはどこからどこまでを指しているのかと尋ねられたことがあります。その上で、人間も「生きもの」であると言われ、ハッとさせられました。例えば、「生物多様性」と言っているとき、人は「上から目線」です。私もいきものであり、自然の一部なのです。中村先生は「中から目線」を覚えるようにと言います。

生きもの:継続性、過程、歴史、関係、多様性、進化

機 械:利便性、効率、構造、機能、均一、進歩

(出典:中村桂子・内藤いづみ『人間が生きているってこういうことかしら?』株式会社ポプラ社・2022年, 221頁)

日常的に動物のいのちをいただきながら、いのちの大切さを考える矛盾。中村先生は、生きものの世界は、白か黒かと決められないグレーなことが沢山あると言います。無理に白黒つけることによって、いのちが壊されていくこともあるのではないでしょうか。生きものである人間が、生きものらしく生きる時、私が私としてこの世界に存在できるのではないでしょうか。



中村桂子先生によるご講義「生きものとしての人間~生命誌の観点から~」(2022年10月6日)

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